Sunday 3 August 2014

遊郭ののれん

また!
ご縁があって、Shepperton Studio に行ってきました!
今回はミニ出張 + 外注という感じで、すでに動き出してるプロダクションから必要があって声をかけてもらいました。グラフィックのデザイナー2人と仕事をします。
Victoria 時代の古い、船に関する書類(英語)を作るのと、その仕事をしてるうちに、あ、そういえば中国からの荷物にも漢字が要る、ということで、英語と漢字、両方書かせてもらえました。

今日撮影開始のプロダクションなので、公開はずっと先、詳しくここで紹介できるのも、まだまだになりそうですが、監督も俳優さんも大好きなので、少しだけでも関われて嬉しい限りです。
奇しくも、2日間机を置かせてもらった部屋は、47 の時に居た部屋でした。

さて。
ブダペストのセットで、遊郭の提灯を書いた話を書きました。同じセットのために、のれんのデザインをしました。ブダペストに行く前に、ロンドンでグラフィックデザイナー(ロンドンに残っていた)と一緒に考えました。

のれんは、お店などの店先にあって、屋号が入っていて、日よけにも、看板代わりの宣伝にもなっていたようです。画像検索しただけでも、粋なデザインのものが沢山あって、見ていて楽しい。






篆書や隷書の字がデザインの一部になってるのなんて素敵ですが、ここは遊郭。デザイナーは粋よりも、いかがわしい雰囲気を醸し出したい様子。
なので色っぽめの行書にしよう。
しかし、私が実際に暖簾に書く時間がなさそそうなので、ペインターさんが字が読めないながら書くか、最悪の場合、印刷でもできるようなデザインに、という仰せでした。


Art Department の図を引く人によるイメージ図。
(こういう図を引ける人は本当に絵が素敵に上手いのです)

白地か、と思いきや、最終的に、いかがわしい感じの赤ピンクの地色に。

アシスタントセットデコレーターと、グラフィックデザイナーで、寸法と紋が決められ、私に字が任されます。紋はお花みたいですが、やっぱりちょっとやらしー感じです。

もう急ぎでしたことだったので、記録がちゃんと残ってないのですが、提灯と同じく、遊ぶという字が右側です。「游」かもしれない。しんにょうには見えない。
左はおそらく吉祥の「祥」だと思われます。
最初は紋を横切る感じで二文字並んでいたのですが、のれんからはみ出すくらいに!ということで、こうなりました。

結果的にペインターさんがこれを見ながら、ペンキで布に直接書いたようです。
ジュリアンという人でしたが、本当に才能豊かで、幟の絵などは全部彼が担当、サインライターとしても活躍してる方だったので、これをなぞるくらいはお安い御用だったと思います。

映画の画面では、一瞬、マジョの背景として写ってます。完成品が見たかったな。


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