Saturday 25 January 2014

梵字

あらすじがどうであれ、切腹のシーンは必ず来る。
しきたりについて調べて欲しいと言われても、資料の棚に本はない、オンラインで調べてみても、Wiki くらいしか見つけることができませんでした。



ふさわしい服装、などと調べるうちに、「四隅に文言を書いたものを立てる」とある資料発見。
何の文言か。つてをたどって調べて行くと梵字では、という結論に。お寺で目にする、左の五輪塔。上から 空、風、火、水、土という五つの要素が形になって重なったもの。それらに各々梵字があり五つの字熟語になったものが、それぞれ東西南北で活用する、というのです。
(かなり大まかな説明ですいません。事実はもっと複雑で神秘的かと。)





その少し以前に現在使われている梵字に近い字、デバーナガリを使った仕事をしたことがあり、大体の字の構成は分かっていました。デザイナーと話して、四隅に立てる棒に付いた布の大きさと素材を決め、平筆の幅を決めて、書いてゆきます。布はシルクでした。




平筆だけでなく、普通の筆でも試しましたが、最終的には平筆の線の方が良かったようでした。










実際の設置の際はどっちが北?!(北が涅槃の方向)と言いつつ、どれがどこか決めました。
畳は白で、2つを T の字に組み、四隅に榊、三宝や白木の桶、など、セッティングは意外に細かく決まっていました。

でも、まあ、ドキュメンタリー撮ってたわけではないので。

Saturday 18 January 2014

出荷される箱たち

最初の頃の仕事のうちの1つに、港でのセットに置かれる出荷用の箱たちを創ることがありました。
デザイナーがスケッチをくれます。

どういうものだったのか、何が輸出されて、輸入されてたのか調べました。あまり資料がなくて困りました。

余談ですが、先日、東京の江戸博物館へ行きました。この時に行けてたら、ずいぶん助かってたろうなあと思うものが沢山ありました。


スケッチを作り、デザイナーと話し合い。
地元びいきで、神戸や兵庫のモノを忍ばせたり。
けっこうな数を作りました。慣れてくると ステンシルが早い、と分かりました。型を作る事自体は時間かかりますが、後の作業が、全部手で書いてるより早い。

この後ペインターさんが汚れたように色を塗っておしまい。







このシーンの撮影が終わった後、別のシーンの為に、上から赤く塗り直されました。その上にまた金でめでたい字を。けっこうお気に入りでした。

Saturday 11 January 2014

カイ

カイという主人公の名前。
最初の台本ではカイという名前ではありませんでした。いろいろあって、名前を変えたいという話が、私のところへ来たのは、他の人だとどういう名前がそれらしいか、はっきり見当がつかなかったから、らしいです。
とはいえ、当時の普通の村人Aの名前は、たいがい 〜衛門とか、〜乃助 じゃないのかなあと、話を聞いた時は私も思いました。
でも主人公は、はぐれモノで、普通じゃない設定。天狗につけられたにせよ、浅野に付けてもらったにせよ、村人に遠くから呼ばれていたにせよ、変わった名前で良いのでは、、、、
いろいろ、声に出して呼んだ時の音と、その音だったらどの字を当てるだろう、と考えて、いくつか候補を出した記憶があります。
カイという音が K 始まりで強い音だったのと、ハーフで、他の人と違っていた、異人、怪人扱いされていたのでは、という「怪」を音から想像できますし、その字を、好意を持ってくれていた人たちに「魁」に変えてもらった、というのもありかな、ということでカイになりました。(ちょっと昔の漫画を思い出さないでもなかったですが)
良い名前ですよね。一生懸命、漢字で「魁」の練習をされてました。