Sunday 5 July 2015

七夕

七夕はお節句の一つ。
日本で育った方なら誰でも短冊にお願いごとを書いたことがあるのでは。



京都、貴船神社の笹飾りです。

奈良時代にはお願いごとでなくて、五色の絹糸を笹に飾ったと言われています。
五色は中国の陰陽道から生まれた自然を表す「五行説」に因んだもので、
「青」・「赤」・「黄」・「白」・「黒」
が使われていました。

青が緑の「木行」、
赤は炎の「火行」、
黄は大地の「土行」、
白は土に埋まっている金属の材料となる鉱物の「金行」、
黒は命を育む水の「水行」を表しているそうです。


五重塔の 天、風、火、水、地と似ています。

だんだん、黒の代わりに紫が使われ始め、江戸時代にはお願いごとを書いた短冊を飾るのが流行ったと言われます。

なぜ笹なのかは、昔から農作業などで虫除けとして笹や竹が使われることもあった為に、浄化作用があるとされていたことから、のようです。

今回のお話は、見た目は似ていますが七夕とは直接関係は全くありません。
使用されなかった小道具の一つですが、カイが天狗に刀をもらいに会いに行くシーンの飾りのひとつとして、デザイナーはこの笹飾りを使いたかったようです。
厄よけ、という意味で、天狗の森の入り口辺りにわんさか飾りたい、ということだったので、コピーして大量生産することにしました。


厄よけなので、お経を書くことになり、大きい、多分A2だったと思いますが、紙に違う種類の字で書きました。それを大きい紙がスキャンできる業者に送ってデータとして取り込んでもらい、布や紙に印刷してもらいます。

布として印刷したものは別途使う予定でおいておいて、紙の方を縦に裂いていきます。


あとはスタッフが、上に穴を空けて笹に吊るしてくれる、、、
はずでしたが思わぬ問題発生。


上下さかさま、、、、。

彼らは日本語が読めないので、仕方ない。
皆で話し合って、下にくる部分に、金で印をつけることにしました。スタッフは金のついてない方を上にすれば良い。


問題解決で、笹は紙のお飾りだらけになりました。

天狗の森のセットは、ブラペストに作られたので、持っていきましたが、美術監督の判断で使わない事に決定、日の目は見ませんでした。

布の短冊は、カイの住んでいる場所の周りの飾り付けに使われたようですが、はっきりどこか分かりません。


笹が飾られるなら、同じ節句の重陽の節句(秋)の菊にも、短冊が使われている資料がありました。これは願い事、というよりは、菊の品評会において、各々の菊の名前を表示するためのものではないか、と私は思いますが、デザイナーはこのアイデアも気に入っていて、どっかで使えないか考えていたようです。

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